有力者の存在を感じさせる遺跡の出土
奈良時代の万葉の歌枕としての憧憬を集めた地


伝説の舞台となった山の井清水
伝説の舞台となった山の井清水

 東北地方最大の前方後方墳、奈良時代の国の役人・葛城王(橘諸兄)の視察、郡衙の設置などからわかるように、この地方一帯は時の為政者にとって注目すべき政治の要衝だったと考えられています。また万葉集の歌枕の地・安積の里としても、人々の憧憬を集めていました。

Cross point in ancient Tohoku Distric
Remains of local magnates found
Land of admiration in the ancient poems in Nara era

Judging from the largest square-shaped tomb mound in Tohoku District, survey of Katsuragi King (Tachibana Moroe) who was the government official in Nara era and county guard setup, this area is supposed to be an important political fortress for governors. It was also a land of admiration called “Asaka no Sato” which is frequently cited in the ancient poems in the Manyoshu collection.

【安積采女】
 葛城王が当地で接待を受けていた時に機嫌を損ねたため前に采女として天皇のおそばに仕えていた一人の女性が王をとりなすために詠んだ「安積山影さえ見ゆる山の井のあさき心をわが思わなくに」の歌が、万葉集に残されています。後に紀貫之によって「和歌の父母」として位置づけられました。また「安積山」「花かつみ」を詠んだ歌は、古今和歌集に載せられています。
前期
(300)
大安場一号墳(田村町)
正直三五号墳(田村町)
山中日照田遺跡(田村町)
東丸山遺跡(安積町)
中期
(400)
正直二七号墳(田村町)
北山田二号墳(田村町)
清水内遺跡(大槻町)
南山田遺跡(田村町)
永作遺跡(田村町)
後期
(500)
大善寺古墳群(田村町)
御代田古墳群(田村町)
大根畑遺跡(安積町)
麦塚古墳(大槻町)
渕の上一号墳(安積町)
大槻古墳群(大槻町)
妻見塚古墳群(田村町)
蒲倉古墳群(蒲倉町・安原町・阿久津町)

大安場古墳大安場古墳(田村町)
 5つの古墳からなる大安場古墳群のうち、1号墳と2号墳は、その価値の高さから平成12年9月に国史跡に指定されました。また、前方後方墳の1号墳は、全長約83mあり、形としては、東北一の大きさです。
石釧石釧(いしくしろ)
大安場1号墳から出土した石製の装飾品(腕輪型石製品)

蒲倉(かばのくら)古墳群
蒲倉(かばのくら)古墳群(蒲倉町)
 約70基の群集墳で、写真は古墳時代後期(7世紀)の古墳群を調査しているところです。
 市内には旧石器時代から近世にかけての遺跡がおよそ1,160か所あります。最古のものでは数万年前にさかのぼると推定され、出土品も多く発掘されています。古代には大和朝廷によって「阿尺(あさか)」の国が置かれ、この地方の豪族が国造に任ぜられました。郡山には多くの古墳が作られていましたが、それは人々の生活力と社会体制が充実し、国造の設置を受け入れる条件が整っていたことを意味するのです。
 さらに現在でも随時調査が行われている清水台遺跡は、奈良・平安時代の郡衙が置かれていた場所であり、郡山の地名は、郡衙の所在地を意味する「郡」の地名に由来すると考えられています。



2004・郡山市勢要覧
郡山市制施行80周年・合併40年記念号